謹賀新年。旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありが
とうございました。本年もよろしくお願いいたします。
さて、当年に限らずお正月の鮮魚介類の出足は、極めて鈍い。
今年は、時化や祝日の影響も相まって、8日頃から本格的に動き
出し、本年第一弾は漸く9日に調理・撮影の運びとなった。たい
へんお待たせしました。いよいよ2018年のスタートです。
【調理・撮影:2018/01/09】
陸は、数年ぶりの大雪となった。どうやら今回は、里雪型らし
い。高速道路から生活道路まで、いたるところ雪だらけ。交通に
支障をきたし、スーパーでは一部の商品が欠品となっていた。
一方、海の中は、これから海水温が底に向かうのであろう。正
に「冬。旬真っ盛り」それでも、「サヨリ」や「ウルメイワシ」
に出会えると、微かに「春」を感じるのは、自分だけか。
【調理・撮影:2018/01/16】
どの様なネタの組合せが最善なのか。毎回、力の限り、その力
を振り絞って考えている。最近は、少しだけそのコツを掴んだよ
うだ。つまり、あまり悩まなくなってきている。以前はよく「こ
の品揃えが嫌われたらどうしよう」や「こんなもの出すな。と怒
られたら」と神経質になっていたのだが、最近は、「旬の素材を
バランスよくお出しする」が最善と気付いた。原点回帰。
【調理・撮影:2018/01/23】
時化が長く続いて、県産鮮魚介類の量・種は低調ではあるが、
出漁できるギリギリの「凪(なぎ)」の日は、一気に、その量・
種が増え、店頭がとても賑やかになる。嬉しい限りである。
一方、陸は、ほぼ毎日「雪すかし」に追われて、うんざり。
ここで気晴らし・憂さ晴らしの「春待祭」。束の間の凪の恩恵を
ご享受ください。これなら、あの日の前に食べても大丈夫。
【調理・撮影:2018/01/30】
「立春」とは名のみの大雪。これ以上降らずに、一刻も早く、
交通障害が解消されるようにと、祈るばかり。大雪や交通障害の
原因は、その専門家に委ねるとして、これが何かの「罰当たり」
と考えると、思い当たる節がある。「大量の食品ロス」をTVで
見た。「あの日の・あの食べ物」は、もうやめたほうがいい。
これなら、あの日の後に食べても大丈夫。
【調理・撮影:2018/02/06】
スキー場も降りすぎて、営業休止の日が続いた大雪が一旦収ま
り、やれやれと思ったら、また雪かきしなければならないほど積
もった。しかし、もう雪を捨てる場所はない。除雪は必要最小限
に止め、あとは、自然にかつ、早急に溶けるのを待つしかない。
そこで「春待ニコ」。これを召し上がって、なんともならない
イライラを解消し、少しだけニコニコしてください。
【調理・撮影:2018/02/13】
「雨水」とは名ばかり。雨ではなく、また、雪が降ってきた。
これでは、なかなか雪解けが進まない。どこかとどこかの外交問
題のようだ。話変わって、五輪。あの、本邦の金メダル選手と隣
国の銀メダル選手との友情には、こちらも目頭が熱くなった。
さて、問題はネタの調達。相変わらず時化が続いて、思うよう
にはならないが、その中でも最善は尽くした。条件は、皆同じ。
【調理・撮影:2018/02/20】
最高気温が10℃を超えると、とても暖かく感じるのは自分だ
けなのか。もうあの大雪のようなことはないだろうが、また寒の
戻りがあって、降って欲しくはないが、降るんだろうなぁ。
この暖かさは「春呼ぶニコ」が、春を一気に呼び寄せたからに
違いない。遠くから共感の「そだねー」の声が聞こえたような気
はするが、空耳か。呼ばれた春がそうさせたからなのだろう。
【調理・撮影:2018/02/27】
調理・撮影当日は、二十四節気(にじゅうしせっき)に従えば
「啓蟄」ではあるが、当年・当県に限って勝手ながら「慶雪解」
(けいせっかい)と命名する。意味は文字通りの「雪解を慶ぶ」
となる。道路や歩道にあった、山のような雪の塊がすっかり消え
、僅かに痕跡が残るばかりで、嬉しい限り。店頭にも春の素材が
顔を出し始めてきた。いよいよ春が始まったの印象。ウキウキ。
【調理・撮影:2018/03/06】
3月に入り、ここに来て、漸く春らしい穏やかな晴れの日が続
き、気温も上昇し始めた。この分では、開花も幾分早まるのでは
ないかと期待できそうだ。振り返れば、ひと月前のあの大雪の日
々が幻のよう気がする。あの時は、このまま大雪が続いて、開花
どころか、このまま春が来ないのかと心配させられたが、季節は
巡るものだと身に染みた。一方、海の方も春の気配が。
【調理・撮影:2018/03/13】
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、少し暖かい日が
続いて「やったー」と思ったら、また寒い日が続き、体調管理に
神経を使う昨今、皆様もご自愛ください。
さて、海の方は、少しずつ「春らしい」素材が店頭に出始めて
きた。海中は陸と比較して、日々(日中も含む)の温度変化は極
めて少なくて良いが、時化があるから、その「読み」は難しい。
【調理・撮影:2018/03/20】
3月28日午前9時頃に確認時点の気象庁のHP「2018年
のさくらの開花状況」では、金沢は空欄であり「まだ」のようで
ある。お隣の富山(市)は、平年よりなんと9日早い3月27日
となっていた。全国的にも「昨年差(日)」の欄は、全て(-)
マイナス。あの大雪の日々の記憶は遠く彼方へ。今回の品揃えは
先々週とほぼ同じ。これは歳のせいでなく、美味しいから。
【調理・撮影:2018/03/27】
「チョット早いのでは。開花も満開も」共感していただけるに
違いない。1ヶ月前のひな祭りの頃は、大雪だった影響もあって
開花はかなり遅れると(勝手に)思っていたが、平年よりずいぶ
んと早まり、ここ数日は春を通り越し、初夏のような陽気。至っ
た理由は頷けるものの、急過ぎて今一つピンと来ないが、それで
も満開。せめて「散るのも早い」は「なし」でお願いします。
【調理・撮影:2018/04/03】
陸は、暖かくなったり、寒くなったり、先日は明らかに氷の粒
が降って、交換したばかりのタイヤをまた戻さなければならない
のかと心配した。櫻も、もうすっかり散ってしまったこの時期の
この寒暖差、体調管理にはとてもキツイ。皆様ご自愛ください。
一方、海は、「春真っ只中」に向け、一歩一歩確実に歩みを進
めている。だんだんこの時期らしい顔ぶれが出始めてきた。
【調理・撮影:2018/04/10】
花に疎い自分が知る数少ない種類の一つ「山吹」が近所の公園
で満開となり、見頃を迎えた。今年は長い間、雪が覆い被さり、
雪が解けてもひしゃげ、もう枯れ果てて咲かないのではないかと
心配したが、見事に咲き誇り、安心したのと、その生命力の強さ
に感心させられた。「困難に打ちひしがれることなく、花開く」
と勇気づけられ、「人として見習うべき」と教わった。
【調理・撮影:2018/04/17】
時化が収まると、途端に店頭に並ぶ魚種・量が増えて嬉しい限
りであるが「何を選択するか」が大きな悩みとなる。逆に、時化
で魚種・量が少ないと「これしかない」で悩まないが「それでい
いのか」と問われると、いささか腑に落ちないが仕方ない。
当然、急に資源が増えたわけでもないし、「需要」が少なくな
ったから「時化」になるものではない。その逆も然り。
【調理・撮影:2018/04/24】
前日4/30の漁獲情報を振り返ると、鮨ネタとして相応しい
種類は、底曳網漁で約20種、定置網漁で約15種、刺網漁で約
10種(重複は除く)あった。また、表示にない(少量の)種類
も少なからずある。日々のバラツキを考慮し仮に計30種とし、
その中から10種を選択する組合せは、約3千万通りとなる。
もう二度と出会えない「一期一会」に感謝するしかない。
【調理・撮影:2018/05/01】
最近、船釣りの夢を頻繁に見る。当方夢でなく、船に強い部類
のようだ。乗り始めの頃は、酔止めを飲んでいたが、一度、飲み
忘れても問題なかったことから、以降は飲んでいない。クーラー
ボックスが跳ねる程の時化の日に、釣果は散々だったが、体調は
普通であった。夢の方では、竿がしなる程の引き味(醍醐味)を
毎回味わっている。この癖になる味を現実にまた味わいたい。
【調理・撮影:2018/05/08】
気温がグッと上がり、春を通り越して、お題の通り「初夏」ら
しい日和となってきた。海の方も漸く水温が上昇し始めたのであ
ろう、漁獲情報の種・量ともとても賑やかになってきた。
この時期は、その殆どの漁法が解禁されており、時化でなけれ
ば種・量大いに期待できるから、計画を立て易いし、楽しい。
それでも、「漁獲」と「需要」は各々独立した事象である。
【調理・撮影:2018/05/15】
先日「クロマグロの資源量、回復傾向に」との嬉しいニュース
が報道されていた。その上、数日前から県水産総合センター発表
「主要港の漁況」定置網の欄、数ヶ所に「クロマグロ」の数字が
上がってきた。喜ばしい限りであるが、実際どこに流通している
のかは不明。店頭では、県外産の養殖(畜養)クロマグロをよく
見かける。一般の方にも県産を容易に入手できますように。
【調理・撮影:2018/05/22】
「麦秋」という言葉を知ったのは、「麦イカ」からである。そ
の「麦イカ」という言葉を知ったのは、釣りからである。
「麦イカ」とは、その多くが「麦秋の頃に漁獲されるやや小さい
サイズのスルメイカ」とされ、当方もそう認識している。いつも
見かける田んぼの中の麦畑。間もなく収穫であろう、黄金色に色
づいてきた。5月ももう終わり間近、いよいよ夏の始まりか。
【調理・撮影:2018/05/30】
「いしかわ旬の鮨だより®」は3~5月を春、6~8月を夏、
9~11月を秋、12月~翌2月を冬と便宜上定義している。
したがって、今回から夏のカテゴリーに分類されるが、陸は、
だいぶ前から「夏」の気配はある。一方、海の方は漸く海水温が
上昇し、今は「晩春」の様子。いよいよ「夏」に向かって歩き始
めた。そう、海の中では「梅雨」はないはず。あるの?
【調理・撮影:2018/06/05】
梅雨入りが発表された。調理・撮影当日~当文編集の翌日は、
陰鬱な雨とドンヨリした曇り。しかも肌寒さが加わり、気分まで
ドンヨリとしそうなことから、お題を「梅雨晴らし」とした。
天気を変える神通力は持ちえないが、これを見た・召上がった
方の気分が、少しでもスッキリしてもらえれば、幸いである。
いよいよ「夏」に相応しい魚種が店頭に並び始めてきた。
【調理・撮影:2018/06/12】
店頭に並ぶ魚種・量が増えると素直に嬉しいが、その選択に相
当悩む。なるべく前回・前々回と同じ素材が被らない様に、今漁
獲されている素材を取上げたいが、最近利用していない素材は最
優先にしたい・・・その「動機づけ」には枚挙に暇がない。その
中にあって「最善の選択」を心掛けた結果の「一期一会」
今回選択されなかった素晴らしい素材達は、次回以降に。
【調理・撮影:2018/06/19】
最近よく利用する鮮魚店(卸)で、店員さんが「今週末は時化
らしいから底曳は今日か明日で終わりや」と誰に語るわけでもな
いだろう呟いた。「ああそうか。終わりか」と返すと、別の店員
さんが「長い夏休みや」と少し憂いがある口調で、お知らせして
くれた。もう二度と底曳網漁が行われないことではないし、二ヶ
月後には、(生きていれば)また出会える。感謝しかない。
【調理・撮影:2018/06/26】
底曳網漁が禁漁となって、店頭に並ぶ魚種の様子が大きく変化
し、いよいよ「夏」の趣が増し、嬉しい限り。
もう直に「七夕」を迎えるから、お題を「七夕のみぎり」とし
たのだが、実際に飾ることはないにしろ、七夕飾りの短冊に何の
願い事を認(したた)めるのか。「新種のネタに出会えますよう
に。より多くの皆様に提供できますように」一つだけですか。
【調理・撮影:2018/07/03】
「鮨・寿司」なるものは「ハレ」の食物である。「今日、好事
があった」から召し上がるは、当然あり得る。しかし、現実的に
は、毎日毎日好事があり、「毎日がすし曜日」そうは問屋が卸さ
ない。むしろ「気晴らし・憂さ晴らし」が多いのであろう。
全国各所に甚大な人的・物的被害をもたらした今年の梅雨。
被災された皆様の「気が晴れますように」と願うばかり。
【調理・撮影:2018/07/10】
拝啓 猛暑の候 皆様におかれましてはますますご清祥のこと
とお慶び申し上げます。
「何言ってんだ。ご清祥どころの騒ぎではない」と叱られそう
なこの暑さ。これから先も続くとの予報。これを見た、召し上が
った方々に少しでも「清涼感」を感じてもらえれば幸いです。
皆様のご健勝とご多幸おをお祈り申し上げます。 敬具
【調理・撮影:2018/07/17】
近海の底曳網漁が禁漁となって、ほぼ一ヶ月。魚種・量が減っ
たように感じていたが、気のせいであった。他の漁法が盛んにな
ったことと、気候が安定し「凪」が続いて、底曳網漁の「減」を
補って余りある「豊かさ」である。したがって、素材の選定に苦
悩することに変わりはなかった。これを見た・召し上がった皆様
の「暑さが払拭できますように」と祈念しております。
【調理・撮影:2018/07/24】
この時期暑さからかどうなのか、明確な理由は不明であるが、
時化でもないのに関わらず、休漁の漁業者が増え、店頭の魚種・
量とも若干減る。それでも並べられた魚種の中から、たった5種
を選択する組合せは、一生かかっても、とても食べきることは出
来ない莫大な組合せ数となる。故に「一期一会」を噛みしめる。
明日からは8月(葉月)。もう直に、底曳網漁解禁。
【調理・撮影:2018/07/31】
「立秋」を迎え、毎日々々繰返された「炎暑」は一服か。しか
し、油断ならぬ。来週も・・・どうぞ皆様ご自愛ください。
陸は厳しい「炎暑」が続く中、海水温の詳細なデータは現状把
握していないものの、平年並なのであろう。何かが激減したや湧
いたの特別な情報はない。要は漁業者のやる気次第。その中にあ
って、夏に相応しい素材が満足に揃ったことは、嬉しい限り。
【調理・撮影:2018/08/07】
立秋を過ぎたから「残暑」。でも、ひどいから「残酷暑」とな
る。いい加減に、そろそろ和らいで欲しいものだ。
さて、お盆を迎え店頭の魚介類の品揃えは、まさに「お盆モー
ド」県内産はほぼ消えてしまった。帰省された方、観光の方の多
くが「石川産」を楽しみにしていらっしゃるのであろうが、ほぼ
ない。そうか、漁業者の皆さんが帰省したからなんだろう。
【調理・撮影:2018/08/14】
お盆から続く所謂「夏枯れ」の影響なのか、店頭に並ぶ県産魚
種・量がかなり低調である。その中にあって、あちらこちら駆け
ずり回って、なんとか「夏・赤づくし」を纏められ、改めて、当
県の「海の豊かさ」を感じた。それにしても、少ない。ヒドイ暑
さが続いて海の生物が絶滅したのか、いや、きっと夏休みで、ど
こか避暑地へ移動したに違いない。そんなわけないだろう。
【調理・撮影:2018/08/21】
9月の底曳網漁解禁を控え、この時期、漁獲量・種が極端に減
る。需要が極端に減るからであろうか。「権利」と「義務」漁業
者が「漁業権」を行使できるのは、鮮魚介類の需要を満たす「義
務」を果たすことが大前提となるはず。失念してしまったのか。
今回、ネタの全ては、石川産であるが、卵以外は全種冷凍スト
ック利用とせざるを得なかったことを何卒ご容赦ください。
【調理・撮影:2018/08/28】
漸く「底曳網漁」が解禁となり、店頭の品揃えも量・種ともに
賑やかになってきた。嬉しい限り。しかし、だからといって「底
曳もの」のみを取り上げるのは、今まで支えてくれた、他の漁法
による「素晴らしい素材」や「生産者」に対して失礼となる。
今回、それらを念頭に置いてなおかつ「農産物」を主役とした
新作「えびQ」も取り入れた「ニコニコ盛り」の出来上がり。
【調理・撮影:2018/09/04】
1週間程「時化」が続いて、県内の「漁獲」は、極めて低調で
ある。店頭では、他県産や輸入物がその穴を埋める形で「豊富に
供給」されている状況である。画像の「石川産」は、全て冷凍ス
トックを利用した。何卒ご容赦願いたい。「時化」の期間に「石
川産の需要」が無いのか。何か簡便な方法で「バッファ」を設け
「需要」と「供給」を緩衝することはできないものなのか。
【調理・撮影:2018/09/11】
漸く「時化」が納まり「さあ」と意気込んだが、生産者も市場
も「休み」。全く「肩すかし」を喰らった体となってしまった。
盆や正月ではあるまいし、なぜ「予め供給をSTOPしてしま
うのか」なぜ「敬老の日を絡めた3連休には、需要がない」と結
論付けてしまうのか。疑問は尽きない。その穴を「他県産や他国
産」がキッチリ埋めている。大きな「機会損失」ではないか。
【調理・撮影:2018/09/18】
先週に引き続き(秋分の日を含む)3連休。「時化」の要因で
はない予定(計画)通りの「休漁・休市」。それを知りながら、
店頭に向かう脚はとても重い。それでも「何かないか」と向かっ
てしまうのは悲しい「性」なのか、残念な「業」なのか。
馴染みの店頭には「山口産」のアジ。申し訳ないが見送った。
「モノ」や「山口産」が全く悪い訳ではない。やりきれない。
【調理・撮影:2018/09/25】
台風一過のスッキリした秋晴れを望み、命名した。台風による
「休漁・休市」は仕方ないが、石川県産は、店頭には皆無ではな
いにしろ、少種・少量の状況。他県産・他国産がその間の需要を
補完している。来週は、3連休。鮮魚介類の需要(購入)が多い
と見込まれる週末に、またもや「休漁・休市」が予定(計画)さ
れている。4週連続の機会損失となるのか。残念でならない。
【調理・撮影:2018/10/02】
4週連続の「機会損失」が現実となり、卵・胡瓜以外のネタが
全て冷凍ストックの利用となったことを、何卒ご了承ください。
今回、時化ではなかった土曜が「休漁・休市」に予定(計画)
され、日曜は台風の余波により「休漁」および予定(計画)の「
休市」によって、日曜・月曜(祝日)には県産の供給が殆ど無く
他県産・他国産がその穴を埋めていた。残念でならない。
【調理・撮影:2018/10/09】
時化が収まって、週末が連休ではない平常モードに戻ると、と
たんに鮮魚介類の種・量が増え、嬉しい限りである。また、秋が
深まり、陸の逸材も顔を出してきた。ご当地石川は、四季を通し
食材の種・量がとても豊かであることと、そのクオリティが高い
ことに気付かされるが、それらを活かす術や広く利用される方策
を誤り「変な味付」する人々がいるのだろう。残念の極み。
【調理・撮影:2018/10/16】
気象庁の海水温データを眺めていると、石川県周辺近海では、
概ねこの時期ピークを迎え、11月上旬頃から下がり始める傾向
があるようだ。また、船釣りの経験から、陸の気温が2ヶ月程遅
れて海水温に反映されるように感じられる。したがって、鮮魚介
類の活性は高いと思われるが、生産者(漁業者)・流通のフィル
ターにより「思うが儘に」とはならない中、最善は尽くした。
【調理・撮影:2018/10/24】
拝啓 秋冷の候、お客様各位におかれましては、お健やかにお過
ごしのことと存じます。日頃はお引き立てを賜りまして、まこと
にありがとうございます。今回は、長年にわたり構想を温め続け
てきた「赤酢」を中心にした品揃えにてリリースいたします。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し
上げます。まずは書中にてお知らせいたします。 敬具
【調理・撮影:2018/10/30】
暦の上では「立冬」。朝晩は冷え込み、近づきつつあるとは思
うが、まだ「冬」の実感はない。ここまでは「陸」の話。
「海の立冬」と言えば、皆様方が待ち望んでいた「ズワイガニ漁
の解禁」である。生憎、調理・撮影が前日、調達がその前日であ
り、残念ながら盛り込むことはできなかった。ごめんなさい。だ
が「美味しいものはそれだけなのか!」と強く主張したい。
【調理・撮影:2018/11/6】
解禁から1週間が過ぎた。とうとうここまで紅葉が降りてきた
のかと思わんばかりのそれ一色である。売り場が席巻され、他の
鮮魚介類が抑圧され、片隅に追いやられている。お客様の全員が
それを購入するのか、完売するのか不明だが、個人的には「高値
(嶺)の花」の年1~2回程の利用。皆様はどうなのか。先週に
引き続き「美味しいものはそれだけなのか!」と叫びたい。
【調理・撮影:2018/11/13】
いつもなら「鰤起こし」の雷鳴が響き渡り、アラレやみぞれが
降っても不思議ではない時期だが、今年は何だか変。最高気温も
10℃を下回らない。店頭は相変わらず「カニカニ攻撃」である
ものの厳しい寒さもなく、気分も今一つ乗らないから、もう少し
寒くなってからご登場いただくこととしよう。一方、海中はまだ
まだ温かい。時化でなければ、魚種・量が豊富でありがたい。
【調理・撮影:2018/11/20】
来週から「師走」。調理・撮影当日の最高気温は18.5℃も
あり、この先も同様の予報。もしかして「冬」が来ないのかも。
当ページのみならず、弊社の統一した基準として9~11月を
「秋」、12~翌2月を「冬」と定義し、来週からは看板を「冬
」に架け替え、時化でなければ、いよいよ「冬の主役のあの方」
にご登場願う予定としているのだが、これでいいのか。
【調理・撮影:2018/11/27】
「香箱日和」の初公開は2015年11月に遡る。今年で4シ
ーズン目を迎え、変えるべき点は変え、守るべき点は守り、僅か
ながらも進化させてきたが、「素材の好さ」を活かすには、施術
は必要最小限に留めることが肝要であるとの結論に至った。
「香箱の肩脚爪の白肉に われ汗まみれ 蟹と闘ふ」
© いしかわ 唐変木
【調理・撮影:2018/12/5】
先(11)月は「鰤起こし」が無く「このまま冬が来ないのか
も」と心配したが、漸く「冬らしい」気候となってきた。その影
響かお陰様か、大時化となって、店頭の品揃えは寂しい限り。
一方、海水温はまだまだ温かく、時化でなければ、漁獲される
量・種類は多い。その上に、いよいよ「脂が乗っている時期」を
迎えたようである。ご多忙中と存じますが、ひと時休息を。
【調理・撮影:2018/12/11】
県内、今年は11月に「鰤起こし」が一度もなかったようだ。
そのせいなのか定かではないが、12月に入って「鰤起こし」が
鳴り響いた途端に、ブリの水揚が盛んになってきた。去年はどう
だったのか、その前年は・・・毎年増減はあるにしろ、ただ眠っ
ているだけか、ブリの資源が枯渇することは考えにくい。また、
「鰤起こし」がないと、その旨味が増さないのは事実であろう。
【調理・撮影:2018/12/19】
冬至を過ぎ冬の気配が濃くなり、お正月に向け巷も自分自身も
歳末感が一層増してきたような気がする。忙しいとは「りっしん
べん」に「亡くなる」と書く。こんな時に「鮨」が相応しいのか
「鮨」なるものはクリスマスやお正月に召し上がるものなのか。
少なくとも「ざわついた人々のエサではない」と断言する。
今こそ、心静かにその一つ一つの意味をご堪能されたい。
【調理・撮影:2018/12/25】