平成の年号は31でお終い。名残惜しい平成最後の一日一日を
大切にすべく、お題に「年号」を付けるべしの旨、西暦の表示を
改め、三が日をとうに過ぎたが「平成三十一年 賀正」とした。
「新たなる時代」と「随分とお世話になってきた時代」との端
境期の真っ只中の今、いまだに「昭和」のノスタルジーを引きず
りながらも「伝統」と「革新」の両輪を目指す次第。
【調理・撮影:2019/01/08】
左義長が済んで、お正月モードもすっかり消え、とある1月の
通常の日々といった「日常感」が漂う。市場も落ち着き、時化で
なければ入荷も安定し、店頭の品揃えも年末の「カニカニ攻撃」
一色から抜け出して、その陰となっていた多くの素材がいよいよ
日の目を見ることとなり「冬らしい」雰囲気を醸し出している。
一年で最も鮮魚介類の美味しい時期を迎えることになる。
【調理・撮影:2019/01/15】
大寒を過ぎても寒く、雪・雨が続き、暗く、心底滅入ってしま
いそうな日々が続いている。去年の「豪雪」のことを思い出すと
まだマシなような気はするが、とても「春」が待ち遠しい。
時化が続いて素材の選択が限られる中、僅かながらも「春」を
先取りした品を採用し、見た目の華やかさも意識した。その上、
全面的に「酢」を変更したが、画像からは伝わらないのが残念。
【調理・撮影:2019/01/22】
1月も晦に近づき、来週は立春(節分)を迎えるところだが、
まだまだ寒い日が続き「春」の気配はほど遠い。相変わらず時化
の日が多く、石川県産の定置網漁以外の漁獲は乏しい状況が続い
ている。「需要」に合わせた「供給」を望むところだが、現実は
「供給」に合わせた「需要の喚起」となってしまっているところ
が残念でならない。「他県産」がその穴を埋めている。
【調理・撮影:2019/01/29】
立春を過ぎ、県内「春一番」の情報もあったが、まだまだ寒い
日が続いている。相変わらず時化の日が多く、僅かな出漁機会の
冷凍ストックと定置網漁、他県産がその支えとなっている。
昨年以来「赤酢(粕酢)」を取り入れ、ブレンド法やネタの向
き不向き等の試作・研究を重ねつつ、順次公開しています。皆様
方がまだご存じない「美味しい世界」をご案内申し上げます。
【調理・撮影:2019/02/05】
立春を通過し、季節は春を迎えたことになるが、気候は春の気
配なくとても寒い。時期としては「早春」となるのだろう。その
定義は諸説あるが「春は名のみ」と感じる「今」にピッタリとあ
てはまるとの思いから「早春の候」と命名。文句あっか。
時化の日が多く素材の調達には悩まされるものの、絶滅したわ
けではなく、改めて「海の豊かさ」に感心させられる。
【調理・撮影:2019/02/12】
時候は「雨水」を迎えた。少しばかり暖かくなり、気持ちも僅
かにほころぶが、まだ2月中旬を過ぎたところであり、油断はな
らない。ちょっとした気の緩みから風邪なんかにやられない様に
皆様方、どうぞご自愛ください。自分は○○だから・・・
今回から、お米の銘柄を替え、試作・試食を実施してるところ
だが「すこぶる好い」の印象。残念なのは「他県産」のみ。
【調理・撮影:2019/02/19】
陸は、漸く寒さも和らいで「早春」の名に相応しい気候となっ
てきた。一方、海(水温)は今が「底」なのであろう。それでも
鮮魚介類が全滅するはずもなく、時化でなければこの時期に相応
しい(旬の)素材が種類・量ともに豊富に漁獲される。
来週はもう3月(弥生)「春」としても許されるのであろう。
当「旬のおたより」も来週からは「春」のカテゴリーとします。
【調理・撮影:2019/02/26】
少しずつ寒さが和らぎ、もう雪はないような気はするが、油断
ならない。タイヤ交換はもう少し待つことにしよう。海の方も徐
々に春らしい雰囲気を醸し出してきた。嬉しい限りである。
昨年から一部、赤(酒粕)酢飯を使用しているが、これが奏功
し、今まで「地味」とされた素材が「活性化」した。しかも、そ
の種がドンドン増すばかり。これも嬉しい限り。
【調理・撮影:2019/03/05】
陸は春雷が轟き、霰が降ってきた。冬に逆戻りしたような気候
となっている。寒いし、気分もドンヨリとしてくる。
一方、海の方はいよいよ「春らしさ」を存分に発揮した素材が
種・量とも豊富に出始めてきた。それらの中から、今日はどれと
どれを取上げるのか。その選択を考えていると、時間をすっかり
忘れ、こちらはウキウキとしてくる。楽しみでもある。
【調理・撮影:2019/03/12】
先週は寒い日が続いて霰も降った。今週は「彼岸入り」で漸く
寒さが緩んで何より。「暑さ寒さも彼岸まで」の好例なのか。
出荷された数多の農林水産物の中から偶然にも目に入り、その
中から奇跡的に選択した素材達。もう二度と出会えない組合せと
言える「一期一会」なのであろう。「あと何回春のお彼岸を迎え
ることができるのか」しっかりと噛みしめたい。合掌。
【調理・撮影:2019/03/19】
鳥の名に疎い自分でさえもハッキリ「ウグイス」と分かる鳴き
声。まだ若いのか、そのたどたどしさに気持ちも和らぐ。それで
も「春告鳥」だから「春」なんだろう。時化でなければ、店頭に
並ぶ鮮魚介類の種・量が増え嬉しい限り。当日鮨ネタに相応しい
素材は少なくとも約30種。その中から10種を選ぶ組合せは約
3千万通り。食べ尽くすには何年かかるか長生きするしかない。
【調理・撮影:2019/03/26】
4月を迎え、新年度が始まり、新元号が決定し「平成最後の花
の季節が巡ってきたのか」と感慨深さもひとしおであるが、期待
を裏切る降・積雪。「蕾もしぼんで、平成最後を立派に飾れるの
か」と不安が過る。その上、海は大時化。店頭に並ぶ魚種・量も
寂しく滅入る気分に畳みかけるが、他県産がその穴をしっかり埋
める。まぁ「のたりのたり」と「花持ち」に期待するか。
【調理・撮影:2019/04/02】
金沢地方気象台によると、標本木が4月6日に満開、平年より
4日早く昨年より3日遅いと発表。8日(月)に犀川河畔の見事
に咲き誇っている様子を通りすがりに見かけた。「このまま何時
間でも」と後ろ髪を引かれながらも調達へと先を急いだが、急い
だ割には店頭の品揃えは寂しくガックリ。唯一の慰めは「少雨・
寒冷の予報で花持ち良さそう」のみ。週末まで持ってくれ。
【調理・撮影:2019/04/09】
陸は、朝晩冷え込むものの、漸く日中温かい日々が続く様にな
り何より。一方、海の方も穏やかな日が続き、時化の日もめっき
りと減り、漁獲量・種も豊富で嬉しい限り。しかし、よく考える
と「鮮魚介類の需要」と「気象状況」には全く因果関係は見当た
らない。言い換えれば、豊漁・不漁に関わらず、その需要は、一
定なのであろう。故に「豊漁に合わせた需要喚起」は無理筋。
【調理・撮影:2019/04/16】
近所の公園の桜は、今年も見事な満開に終わりを告げ、名残り
の葉桜に変わりつつあり、それを待ち構えていたように「山吹」
が人知れず満開を迎えようとしている。花の種類に疎い当方もそ
の可憐さ・奥ゆかしさに惹かれその名を覚えた。当山吹は、バラ
科ヤマブキ属(落葉低木)とのこと。地味でひっそり目立たず、
自己主張なく品格が備わる。サウイフモノニワタシハナリタイ。
【調理・撮影:2019/04/23】
調理・撮影「平成」→編集・執筆・公開「令和」と年号を跨ぐ
持続可能・継続型の「いしかわ旬の鮨だより®」となった。
新作「たけにに」もこの時期に相応しい逸品に仕上り、新種の
ネタ「ミシマオコゼ」に出会えた歓びとともに新時代へと歩みを
進め、橋を渡り切ることができた。「伝統」と「革新」の両輪を
旨に「永遠に継続できるように」一歩ずつ歩き続けよう。
【調理・撮影:2019/04/30】
令和初の調理・撮影である。年号が替わろうが、5月は5月で
あって、季節は巡る。海水温はこの時期から例年通り上昇局面に
差し掛かり、鮮魚介類は立夏を通過しても、まだ「冬の名残り」
や「早春」をイメージさせる。それでもこれが「旬」。陸の農産
物を含め、今の時期に相応しい逸品を揃えることができた。
今後、海水・気温の上昇に伴い、新たな楽しみも増えてくる。
【調理・撮影:2019/05/07】
元号改定の祝賀ムードと超大型連休を通過し、街中はいつもの
5月へと落ち着きを取り戻したようだ。陸の気候は「晩春」を通
り越し、一気に「初夏」へと歩みを進めたような気がする。
一方、海の方はいつもの年ならこれから海水温が上昇し始め、
「春真っ只中」へと様子が変わるのであろう。そこで何かを期待
するのではない。いつも通りの平年並みが一番好いのです。
【調理・撮影:2019/05/14】
陸は、二十四節季の一つ「小満」を迎え、程良い陽気となって
きた。一方、海の方は、約2カ月遅れてこれからどんどん海水温
が上昇し、所謂「新子の時期」を迎えることになるが、時化でも
ないのに店頭に並ぶ魚種・量とも若干寂しい。生産者(漁業者)
が獲りたいもの-流通が売りたいもの-消費者が真に欲しいもの
の完全一致は理想なのか、現実は真逆のようだ。
【調理・撮影:2019/05/22】
先週から最高気温が30℃超えの日々が続き、初夏を通り越し
て真夏の気配が漂うが、一雨来れば少し落ち着く。週末に通い続
けている鮮魚店への道中で見かける麦畑が黄金色に輝き、その一
部が刈り取られていた。今が正に「麦秋」の時期なのだろう。
一方、海の方は、今が春真っ盛りなのであろう「それらしい」
魚種が旬を迎えた。来週からは「夏」に衣替えします。
【調理・撮影:2019/05/28】
6月に入り「初夏」の名に相応しい爽やかな日々が続いて、当
「旬のおたよりページ」も「夏に衣替え」しました。
陸は「初夏」ではあるが、海はそろそろ「春の盛り」に差し掛
かったところなのであろうポツポツと「新子」が出始めた。
これから鬱陶しい「梅雨」を迎えるが、新たな(すっかり忘れ
ていた)素材との出会いがその憂いを払拭させる。海は豊だ。
【調理・撮影:2019/06/04】
暦の上では11日が「入梅」。実際のところ、北陸地方は既に
7日には梅雨入りしたとのこと。(新潟地方気象台発表)
ここ数日は、陰鬱な雨が降ったり止んだり、ジメジメして肌寒
く、先日までの爽やかな初夏の陽気はどこへ行ったのか。
一方、海の方は魚種・量ともその選択に悩む程に堅調である。
どうやら、春の気配から夏に向けての移行期間に入ったようだ。
【調理・撮影:2019/06/11】
この時期に限らず、時化でなければ、鮨ネタに相応しい素材は
通常30~50種程度は出荷されている。少なく見積もって30
種とし、その中から10種を選択する組合せは、約3千万通りと
なる。今日の選択以外にも採用すべき「旬の」素材は豊富にある
ことから、同じ組合せにはならないし、出来ない。毎回「最善」
を意識した結果として、本来の意味の「一期一会」となる。
【調理・撮影:2019/06/18】
今年の夏至を通過したが、相変わらずの梅雨空のお陰で、今そ
の時季であることに特段の印象はない。それでも、朝は早い時間
から明るくなって、少々睡眠不足と感じるのは自分だけか。
一方、海は海水温上昇中であり、陸で言うところの「春真っ只
中」に相当するのであろう。店頭に出始めた魚種がそれを象徴し
ている。ウキウキ感が滲み出て、こちらまでそうなる。
【調理・撮影:2019/06/25】
半夏生にタコをいただく風習は、ご当地石川のみと思っていた
ら然にあらず。「半夏生 タコ」で検索してみてください。
当タコ、タウリン豊富で「肝臓の解毒能力を強化。アルコール
障害にも効果的」(農水省HP)とあった。「タコは毎日摂取すべ
し」と即、調達したが「毎日飲まなきゃいい」だけの事。
でも、タコを含め鮮魚介類は、毎日食べてもいいんですよ。
【調理・撮影:2019/07/02】
店頭に並べられた魚種が「少し寂しくなった」と気付いたのは
静かに底曳網漁が禁漁期間に入ったせいなのだろう。解禁前には
ド派手なお知らせがある半面、「禁漁期間に入りました」とは誰
も言わないものだから気付くのが遅れた。それでも、この時期に
相応しい「旬の逸品」は豊かであり、食べるべき魚種は、食べき
れない程豊富にある。一度全種制覇にトライしてみてください。
【調理・撮影:2019/07/09】
近海底曳網漁が禁漁期間となり、若干店頭の品揃えが寂しくな
ったかと感じたが、漁獲情報を冷静に凝視すると、鮨ネタに相応
しい魚種だけでも30種以上はある。寂しく感じさせたのは、店
側の品揃えの問題であり、漁獲減少ではなく、まして資源が枯渇
したわけではない。「夏枯れ」と嘆く方がいらっしゃいますが、
この時期に相応しい「旬の逸品」は豊富である。正に「賜物」。
【調理・撮影:2019/07/17】
梅雨空が続く中、「大暑」を迎えた。お日様がギラギラと輝い
たカラッとした「大暑」ならまだしも、ただひたすらに蒸し暑い
だけの「大暑」には閉口し「対処」の術もない。去年はどうだっ
たなどは、遥か5万光年彼方へ。昨日食べたものすら危うい。
この蒸し暑さのせいなのであろう。漁業関係者のやる気の無さ
が店頭に滲み出ている。それでも切れない海の豊かさに感謝。
【調理・撮影:2019/07/23】
先週梅雨明けが発表され、最高気温が30℃を超える暑い日々
が続き、いよいよ夏本番か。明後日には8月。早いものですね。
調理・撮影前(調達日)の漁獲・市場情報を眺めていると、鮨
ネタに相応しい魚種は30以上ある。仮に30として、その中か
ら10種を選ぶ組合せは、約3千万通りとなる。これを召し上が
って「少しでも涼を感じてもらえれば」の一期一会。
【調理・撮影:2019/07/30】
うだるような炎暑が続き、心身共にグッタリ。皆様方もご自愛
ください。多分、この暑さに生産者(漁業者)も出漁を見合わせ
られているのであろう、県内の漁獲量・種は、共に低調である。
それでも途切れず「何かある」のは、資源豊富なご当地石川の
環境の良さと言えるのではないか。そのありがたさが、身に沁み
る。これが皆様方にとって「暑気払い」となれば幸いです。
【調理・撮影:2019/08/06】
この酷い暑さは、立秋を過ぎたから常識的には「残暑」となる
のだろうが、その一文字加え「残酷暑」としておこう。
さて、県内鮮魚介類生産(漁業)者は、この酷い暑さを避け、
休漁モード。その結果、量・種とも極めて低調。一方、他県産を
含む流通(市場)もこの酷い暑さを避け、お盆休みに突入。
みんな「残酷暑」のせい。「残酷暑ニモマケズ」と勤しもう。
【調理・撮影:2019/08/13】
お盆休みと台風の影響により、石川県産鮮魚介類の入荷は極め
て乏しい状況である。足が早く在庫が効かない鮮魚介類は、お盆
休みや台風が来ても一定の需要はある。むしろ、お盆期間などは
普段より需要があるように思える。その「穴」をしっかりと埋め
ているのが他県産や外国産である。せっかくの需要をゴッソリと
持って行かれているような気がする大きな機会損失だ。
【調理・撮影:2019/08/20】
「処暑」その名の通り、漸くあの「残酷暑」も収まって、過ご
しやすい気候となってきた。さぞかし、生産(漁業)者の生産性
も向上すると思いきや、相変わらず水揚量・種とも寂しい状況で
ある。きっと、もうすぐ解禁の準備をされているのだろう。
天気予報の「暑さおさまる」を「暑さおさる」と「ま抜け」に
認識。どうやら「残酷暑」にヤラレタようだ。回復できるのか。
【調理・撮影:2019/08/27】
底曳網漁解禁となると、にわかに店頭の様子が賑やかになり、
嬉しい限りではあるが、今まで需要を支えてくれた他の漁法の水
揚をないがしろにはできない。むしろ、底曳網漁由来の魚種によ
り店頭の片隅に追いやられている状況を目の当たりにすると、ひ
いき目にしたくなるのが「人情」というものである。とは言うも
のの、どちらにしても「命を頂いている」を忘れてはならない。
【調理・撮影:2019/09/03】
底曳網漁解禁と好天が続き、県内漁獲量・種共に豊富となり、
嬉しい限りであるが、猛暑がぶり返し、皆様体調管理にご自愛く
ださい。季節感も「秋なのか夏なのか」よくわからん。
一方、海の中は、これから盛夏を迎えるのであろう「新子」が
豊か。陸と同様「秋なのか夏なのか」よくわからん。まぁそれが
「新秋の候」たる所以。これから涼しくなるのだろう。
【調理・撮影:2019/09/10】
漸く「猛暑」も収まり、随分と涼しくなってきた。あの暑さか
ら比べると、まだ最高気温が25℃以上あるのに、寒いぐらいに
感じるのは、体が着いていけないのか、歳のせいなのか。
海水温が最も高い時期に差掛り、魚介類の活性が高いことと、
好天続きにより、漁獲量・種が最も多い時期と言える。
「暑さ寒さも彼岸まで」が脳裏をよぎった。もう間近だ。
【調理・撮影:2019/09/17】
連休を見据えた計画的な休漁と引き続き台風による休漁。3日
も休漁が続くと店頭から県内産が消え、その穴を他県産が埋める
構図となるのは必然。県内産は、店舗側の僅かな備蓄が支えとな
っているが、微量。なぜ、弾力的に計画を見直すことができない
のか理解不能。週末の稼ぎ時、大きな機会損失ではないか。
お彼岸が明け、来週は10月に入る。もう長月も終わりか。
【調理・撮影:2019/09/24】
10月1日に調理・撮影実施したから「神無月朔日」と命名。
馴染みの鮮魚店の大将曰く「台風接近により、七尾近隣の定置網
は、ほとんど網を上げてしまった。しばらくは何も出て来ない」
とのこと。消費税率が上がろうが「時化」と「鮮魚介類の需要」
との因果関係はない。その間の「穴」を他県産が「埋める」大き
な機会損失となる構図。何とかならないのか、永遠の課題。
【調理・撮影:2019/10/01】
陸は、めっきり秋らしくなり、朝晩は冷え込んで、周囲の木々
も少しづつ色づき始めてきた。一方、海の方は、海水温が最も高
い時期で魚介類の活性高く、例年であれば漁獲種・量ともに豊富
なところだが、立続けの台風による時化と急潮の影響で漁獲情報
はない。今週末もまた、強い勢力を保ったまま台風接近の予報。
漁獲どころではない。皆様に被害が無い事を祈るばかり。
【調理・撮影:2019/10/08】
台風の影響と予め決められた休市により、県産鮮魚介類の出荷
は、極めて少ない。この厳しい状況の中、冷凍ストックと県外産
を有効に活用し、調理・撮影としたが、妥協の産物ではない。
危機感がこの「逸品」を生み出させた動機と言えるのだろう。
言い方を変えれば、日頃は「豊富な素材に甘えていた」というこ
となる。改めて「海の豊かさ」を認識し、感謝する次第。
【調理・撮影:2019/10/15】
今年限りの特別な祝日に、自分を含め招待されなかった国民・
県民の皆様へ「祝宴の儀となり得るように」と数多の素材の中か
ら厳選し、調理に至った。当日は、約30種の候補があり、その
中から10種を選ぶ組合せは、約3千万通りとなる。そう考える
と他にも「正解」があるように思えるが、全てを検証するには、
「もっと長生きしなければ」と思う「おめでたい人」であった。
【調理・撮影:2019/10/22】
朝晩めっきり冷え込んで、まだ早いかもしれないが、ストーブ
が恋しくなる時期を迎えた。皆様、体調管理にご自愛ください。
さて、調達日は時化により石川県産鮮魚介類の入荷はやや少な
めであったが、店頭にはこの時期ならではの食材が他県や陸から
豊富に出揃い、鮨ネタの確保に窮することなく、幸いである。
「これに甘えてはならぬ」と自戒した結果、視界が広がった。
【調理・撮影:2019/10/29】
石川県産鮮魚介類の需要と供給は、一体どうなっているのか。
長年、県内漁獲情報と販売チャネルを見続けてきた印象を一人の
消費者として、利用業者として、以下の通り述べたい。
なぜハッピーマンデーを控えた週末の市場を計画連休とするの
か?買物が集中し、需要がある週末の凪の日になぜ操業しないの
か?その「穴」を他県・他国産が埋めている。疑問は尽きない。
【調理・撮影:2019/11/05】
先週6日(水)にズワイガニ漁が解禁となり、翌日から店頭が
「カニカニ攻撃」により席巻されてしまった。気の毒にも他の鮮
魚介類は、店の片隅に追いやられ、随分と肩身の狭い思いをされ
ているのであろう。今、これらの秀逸な品々をないがしろにする
理由は、全くない。むしろ、大いに取り上げられるべきである。
ズワイガニは、もう少し落ち着いたところで採用しよう。
【調理・撮影:2019/11/12】
紅葉が街にも降りてきた。背景の空の色が何であっても美しく
映える。もうじき「白いモノ」も降りて来るんだろうなぁ。
一方、海の方は、(カニ以外に)豊富な資源があることを理解
しているが、生憎、時化の日が多く、カニを含め石川県産の漁獲
は低調の模様。店頭も同様であるが、そのすき間を他県・他国産
が埋めている。何とかならないのか。歯がゆい思いだけが募る。
【調理・撮影:2019/11/19】
「晩秋の候」を通り越し「初冬」ではないかと思われる今日こ
の頃。それでもまだ11月。暖かい日もある。すしセン®では9
~11月を「秋」、12月~翌2月を「冬」と位置付けているか
ら「晩秋の候」としたことを何卒、ご理解・ご容赦ください。
その11月も晦日に近づいてきた。来週はもう師走か。今年も
また、ずーっとあたふたしながら、大晦日に近づくんだ。あぁ。
【調理・撮影:2019/11/26】
お待たせしました。毎年恒例の「カニカニ攻撃」が一段落した
ことから、解禁からほぼ一ヶ月遅れの「香箱日和」となります。
今回から、赤(酒粕)酢飯を巻物以外の3種に採用し、内子・
外子を分けて、各々の好さ・特徴を分かり易くしました。
「香箱の隅をほじくる白肉に われ汗まみれ 蟹に遊ばれ」
© いしかわ 唐変木
【調理・撮影:2019/12/03】
「香箱日和」は、2015年11月の初公開から今年で5年経
過したことになる。毎年少しずつ改善を重ね、先週公開の「香箱
日和 2019」を最終形としていたが、改善点が見つかった。
「つばた巻®かにまこも」2貫を「カニ玉押寿司」に置換え、本
来の「ニコニコ盛りの定義」に適うものとなった。まだまだ改善
の余地はあるかも知れないが、これを以って確定版としよう。
【調理・撮影:2019/12/10】
お題を「初雪の候」としたが、ほっこりする温かい日もあって
なんとも的外れである。まぁそれはそれでありがたいのだが。
金沢地方気象台によると「令和元年12月6日金沢で初雪を観
測しました」とのこと。お題がまんざら嘘でないとホッとした。
「地球温暖化」か。今が旬の素材達を今のうちに召し上がらない
と「生態系破壊」によって、もう食べられなくなるのかも。
【調理・撮影:2019/12/17】
なんとも気忙しい歳末ではあるが、心静かにこの1年を振り返
ると、少数ながら「もう無い」と思われた新素材に出会えたり、
赤(酒粕)酢飯との組合せが豊作であり、来年・再来年分に至る
程、試作・試食・撮影できたこと。また、既知の何かと何かの組
合せ資源が無尽蔵であると気づかされ、収穫の多い1年だった。
今年は、これでお終い。皆様、良いお年をお迎えください。
【調理・撮影:2019/12/24】