謹んで新年をお祝い申し上げます。
「禍」が3年に渡り、「お祝い申し上げます」が憚れる状況で
すが、好転すると期待しつつ、個人的・社会的な回避対策を十分
施し、社会全体が継続・発展することを願わずにいられない。
調理・撮影が4日、未だ市場が明かないため、ネタの全てが冷
凍ものであることを何卒ご了承ください。本年も御贔屓に。
【調理・撮影:2022/1/4】
お題の「寒中」は、先週の「小寒」と来週迎える「大寒」から
当初、粗忽にも「中寒」と思いつた。「寒中」が適切と気付くま
で間があったことが恥ずかしい。諸兄におかれましては、釈迦に
説法となるのであろう。「小寒~立春までが寒中」とのこと。
時化が続いて石川県産が少なく、他県産が幅を利かしている。
まぁ、それを含めて「石川の旬」と解釈していただきたい。
【調理・撮影:2022/1/11】
相変わらず時化が続き、石川県産の入荷が乏しい。需要が天候
と一致するはずもなく、その穴を他県産が埋める構図となってい
る。これが冬場だけなら頷けるが、他県からの入荷(転入)が年
がら年中の恒常的となっている。それらが県内に生態がないもの
なら納得できるが、そもそも生態があるのに、獲れない、獲らな
い、流通させないが事実として存在することが悲しい。
【調理・撮影:2022/1/18】
今回のお題を目の前の卓上カレンダーを眺め、ぼんやり考えて
いた。調理・撮影当日が「初天神」と気付き、お題を頂戴したか
ら、偉そうなことは言えない。当方「初天神」は、落語のネタと
して知り、お気に入りの一つ。当噺、Web上検索すると数多の
動画があるので一見してみては。「こんなことならお父っさんに
食べさせるんじゃなかった」と言っていただきたい。
【調理・撮影:2022/1/25】
あっという間に1月を通過し2月を迎えた。早いもので、明後
日は節分、明々後日が立春と暦の上では寒中を通過することにな
るが、急に暖かくなるわけでもない。皆様ご自愛ください。
時化でなければ、漁獲は県内種・量ともに例年並みであるが、
近年、その通りに店頭に並ばない。何らかのフィルターにより除
外され、その穴を他県産が埋める構図が続いている。残念。
【調理・撮影:2022/2/1】
暦上、立春を経過したから、そろそろ暖かくなってもよいと思
っているが、そうは問屋が卸さない。実際のところ、寒さの底を
歩んでいるのであろう。「今年は雪が少なく幸い」と軽率に口に
したら、いきなりドカンと来た。今後は禁句としよう。まぁ禁句
にしたところで誰も止めることができないからご容赦ください。
何れにしても、早く早くの待ち遠しい「春待の候」でした。
【調理・撮影:2022/2/8】
少しだけ寒さが緩んだようだが、まだまだ寒く「春兆」には程
遠い気候である。それでも店頭の食材(農林水産品)の中には、
「春の走り」が出始めるようになって、嬉しい限りである。
ところが、「産地偽装」なる一方的・人為的な流通障害によっ
て、あるべき素材が消えた。誰の利なのか部分最適が蔓延し、全
体最適の真逆の全体不幸。消費者をおざなりにしてはならない。
【調理・撮影:2022/2/15】
2022年2月22日と「2」が6つも並ぶ特異日である。猫
好きの方には、ニャンとも嬉しい日なのだろう。鮨好きの当方に
とっては、ピンと来なかったが、思い出した。「ニコニコ盛り」
があった。長らく特に意識せずに、10種10貫の盛合せばかり
を続けてきたが、5~6年前には頻繁に実施していた。来週は、
もう3月。冬の終わりに相応しい逸品をご用意しました。
【調理・撮影:2022/2/22】
今日から弥生3月。漸く厳しい寒さが少し緩み嬉しい限りであ
るが、まだまだ冬の気配が抜けきらない。先週の様にいきなりド
カンと降らないことを祈るばかり。寒いのは仕方ないとして、石
川県は、冬型の気圧配置となると季節風を真面に受ける北西向き
の地形で風裏となる地域が少ない。時化の影響により、漁獲が極
端に減り、その穴を他県産が埋める構図が続くことになる。
【調理・撮影:2022/3/1】
漸く近隣の公園に山積みとなっていた除雪の山が消え、地面が
見えてきた。「どこかで春が生まれている」のだろう。冬が終わ
ったという実感はあるが、春の気配は、まだ感じられない。
先々週から県内各地の定置網に大漁のマイワシが漁獲されてい
る。100tを超える情報が連日のように発信されているが、鮮
魚売り場に結果がそのまま反映されされていない。なぜ。
【調理・撮影:2022/3/8】
暖かさが増してきた。日中過ごしやすく、寒さで縮こまってい
た日々から解放され何よりである。溜まっていた家の外回りの掃
除をと意気込むも、眠い。まぁ明日以降でもいいかと先送り。
天候が安定し時化が収まり、漁獲の方も量・種とも情報を見る
限り豊富となってきた。「あの時にこのくらいあれば良かったの
に」と思うが、需給が一致しないのが漁業。なんとかならんか。
【調理・撮影:2022/3/15】
先週は暖かい日が続き、これで春まっしぐらと思いきや、そう
は問屋が卸さなかった。数日前から肌寒く、冬に逆戻りである。
そこで、暖かい日が続くようにと願いを込め「春陽ニコ」と命名
した。昨日が彼岸中日、24日が彼岸明けとのこと。「暑さ寒さ
も彼岸まで」の通りだと24日以降となるのか。今すぐにでもと
期待したが、予報からも冷たくあしらわれてしまった。
【調理・撮影:2022/3/22】
先週末から暖かい日々が続き、やれやれと思ったが、また少し
寒くなってきた。それでも最高気温が15℃程あるから、厳しさ
は確実に緩和されているようだ。天候も穏やかさが出始め、春の
良さや真髄に、どんどん進んでいるような気がする。
店頭の鮮魚介類も「春らしい品揃え」となり、今回は、「春豊
謳歌(しゅんぽうおうか)」と命名した。今が旬。いつも旬。
【調理・撮影:2022/3/29】
先週3月30日に金沢地方気象台から開花宣言が発表され、平
年より4日早いとのこと。「なお、天候にもよりますが、北陸で
は統計上、開花から5日程度で満開を迎えます」と表示されてい
た。概ねその通りになって、長持ちして欲しいと願わずにいられ
ない。天候が安定し時化の日が少なくなって、漁獲量・種も豊か
で安定し嬉しい限り。「ひねもすのたり」が続きますように。
【調理・撮影:2022/4/5】
10年以上、石川県水産総合センターから発表される「主要港
の漁況日報」を欠かさず見続けている。ここ1~2ヶ月マイワシ
が、近年稀にみる豊漁(定置網漁)である。それに起因している
のであろう、クロマグロ(成魚)・めじまぐろ(幼魚)も例年よ
り一桁・二桁多い表示となっている。嬉しい限り。しかし、それ
らが店頭に全く反映されていないことが、残念でならない。
【調理・撮影:2022/4/12】
先週、春と言うより初夏と言うべき日々が続いた。その反動な
のか、平年並みの気温であるにもかかわらず、とても寒く感じる
から不思議である。まだ4月半ばと冷静に判断すれば、当然なの
かもしれないが、体調管理に気を遣う。皆様もご自愛ください。
海水温は、まだ底を過ぎた状況。例年GWが明けた頃から徐々
に上がり始める。それでも魚種・量が豊かなのでありがたい。
【調理・撮影:2022/4/19】
日中過ごしやすく、朝晩の冷え込みも和らいできた。これから
初夏に向け、季節が「雨後の筍」のようにどんどん進んでいくの
だろう。「田植え」が本格的に始まる時季を迎えた。
一方、海の中は、まだまだ水温が低く、季節に言い換えれば、
冬が終わった程度である。GW明けくらいから徐々に上がり始め
るのが常。それでも魚種・量豊かな当県。今が旬。今も旬。
【調理・撮影:2022/4/26】
昨日が「八十八夜(立春から数えて八十八日目の日)」当日夜
の霜がこの時季最後とされ、種まきに最良の時期とのこと。
ここ数日、少し肌寒い日が続いて、歌の文句の「夏も近づく」
がピンと来ない。日差しがあれば快適なことから、その願いが通
じますようにと「陽光の季(とき)」と命名した。世間は、GW
真っ只中、皆様にとって素晴らしい日々となりますように。
【調理・撮影:2022/5/3】
GWを過ぎても晴天続きであるものの、初夏らしい気温が付い
てこなく、ここ数日、日中も上着が欠かせない。それでも、日差
しが新緑に当たってキラキラ輝く様子を見て、生命の力強さを感
じざるを得ず、こちらにも元気を頂いたような気がする。
少し寒いが、天候が安定しているから、陸・海からの食材の入
荷が量・種とも豊かであることがありがたい。
【調理・撮影:2022/5/10】
「薫風」は、「五月晴れ」によって日光が燦々と木々に降り注
ぎ、その中を吹きわたる初夏の風が、青葉若葉から発せられる爽
やかな香りを運ぶ風情を表現しているが、ここ数日、曇天が続き
少し肌寒い。「五月晴れ」や「風薫る五月」には程遠い。
「五月晴れ」が続き、「薫風」が「玉帚(たまぼうき)」ごと
く、日頃の憂さを晴らしてくれることと願いつつ命名した。
【調理・撮影:2022/5/17】
先回の「薫風玉箒」のご利益があってその日以降、五月晴れの
陽光が降り注ぎ、漸く気温が上がり「初夏」らしい日々が続いて
いる。木々の緑が輝いて映り、正に「万緑の候」に相応しい日々
となって、嬉しい限り。その気象状況の中、時化による休漁がな
く漁獲種・量とも豊かである。底曳網・定置網・刺し網・・・全
漁法においていよいよ活発になり、これも嬉しい限り。
【調理・撮影:2022/5/24】
5月の晦(つごもり)。気温が上昇し正に初夏の気配が漂って
きた。当HPの季節のカテゴリーが「春(3~5月)」であるこ
とに違和感を禁じ得ないところだが、明日から「夏」に衣替え、
今日まで「春」とご容赦ください。
さて、海中は、明日から夏と決めつけるものではなく、陸と比
較し約2ヶ月遅れの春で、現在水温上昇中といったところ。
【調理・撮影:2022/5/31】
陸は、世間や当HPも衣替えが過ぎていよいよ夏モードといき
たいところであるが、最高気温が25℃を超える所謂「夏日」に
ほど遠いこの時期としてはうすら寒い日々が続いている。梅雨入
り前だから梅雨寒ではないが、気温の低さが気になるところ。
今後、農林水産物に悪影響を及ぼすことが無く価格が安定し続
けることを願うばかり。気象以外の悪影響が多大の理由から。
【調理・撮影:2022/6/7】
お題を「仲夏の候」と命名した。「仲夏」とは、芒種(今年は
6月6日)~小暑(今年は7月7日)の期間とのこと。
先週の季節外れの寒さから漸く抜け出し、この時期らしい気温
に戻ったが「らしい」雨の日が少ない。ちなみに、北陸地方の平
年の梅雨入りが6月11日頃と公開されている。少雨も大雨も多
方面に悪影響を及ぼすこと必至。程よい降雨でありますように。
【調理・撮影:2022/6/14】
本日夏至につき「夏至の友」と命名。先回の「旬のおたより」
公開直後に北陸地方の梅雨入りが宣言され、今日は、雨こそ降っ
ていないが、1年で最も昼が長いとされる夏至の恩恵や効果が感
じられないドンヨリした曇天である。適度に降ってカラッとした
晴天を運んでくれる梅雨明けが望むところである。さて、漁獲の
方は、種・量何れも消費者の実需要と齟齬があるような。
【調理・撮影:2022/6/21】
近海底曳網漁の漁期が今月末迄、7月・8月2ヶ月間の禁漁期
間に入る。その穴を埋める何かがあるわけではないから、県内の
漁獲は、毎年々々繰り返される所謂「夏枯れ」の期間を迎えるこ
とになる。その間、資源が死滅しているわけではなく、漁業者に
とって費やす労力や設備に見合う漁獲(㎏単価)が見込めないこ
とによる自主的生産調整を行うものである。需要はあるのに。
【調理・撮影:2022/6/28】
先週公開直後に北陸地方の梅雨明けの発表があった。梅雨のお
休みと思っていたところの終了宣言に面食らった。結果、お題の
「梅雨有休」が空振りの体。その恥ずかしさは当方一人が被れば
良いが、空降りの空梅雨が良い影響があると決して思えないし、
その範囲が北陸地方だけでないことは明らかであろう。本日、台
風由来の雨。突然「戻り梅雨」なる言葉を思い出したが。
【調理・撮影:2022/7/5】
強烈な猛暑と言うより、蒸し暑さがじわじわとこの身を苦しめ
少しづつ弱ってきた。これが続くと気持ちまで弱り、生きる気力
さえもなくなり、もうどうにでもしてくれの心境に至りそうだ。
そんな心身衰弱を振り払う涼風の如く、清涼感のある仕上がり
を目指した結果、上々。それでもこの組合せが最上かどうかまだ
まだ試す余地は広大である。「夏枯れ」に負けずガンバル。
【調理・撮影:2022/7/12】
北陸地方今年の梅雨明けは6月28日ごろ。平年が7月23日
ごろから25日早いとのこと。それでも感覚的には梅雨の雰囲気
を十分に醸し出しているから、要件不詳であるが「戻り梅雨では
ないのか」と勝手に思っている。梅雨明けの訂正もあり得る。
一方、時化ではないが、漁獲量・種とも低調。需要と供給を合
わせようとする気配が感じられなく、他産地がその穴を埋める。
【調理・撮影:2022/7/19】
梅雨明け発表後、戻り梅雨のような日々が続いていた。その影
響で先週は、ほぼエアコンなしで過ごせた。数日前から雨が上が
り、どうやら実質的な梅雨が明けたようである。長雨の湿気がま
だ抜けきらないからなのであろう、やたらと蒸し暑い。気温を大
きく超える体感温度と言いたい。「三伏払い」を召しあがって、
「不快」を振り払っていただきたいものである。
【調理・撮影:2022/7/26】
うだるような暑さが続き、気持ちまでぐったりする。清涼感を
意識したこの盛合せによって、少しでも緩和されるようにと品揃
えを考えているところであるが、県内鮮魚介類の漁獲量・種は、
毎年相変わらずこの時期「夏枯れ」状態が続き、少しでもと言う
気持ちが萎える。そう、生産(漁業)者も同じ。きっと、ぐった
りしているのであろう。その穴を他県産が埋めている。
【調理・撮影:2022/8/2】
立秋過ぎたこの暑さを「残暑」と言うが、むしろ「残酷暑」と
すべきである。日常生活が全て冷房の下で活動できれば良いが、
なかなかそのようにはいかない。皆様どうぞご自愛ください。ま
た、自身でコントロールできない方々への配慮もお忘れなく。
一方、海の方は、概ね2ヶ月遅れで海水温がピークを迎える時
期となった。これから「新子」が増えてくるから期待したい。
【調理・撮影:2022/8/9】
お盆休みにあたって、ネタの鮮魚介類全種、冷凍ストック利用
をご了承ください。これを召し上がり少しでも「涼しさ」を感じ
取っていただければ幸いです。(もちろん解凍してあります)
核家族化・高齢化が進み、お盆休みに親戚一同が集いご馳走を
取り囲むシーンが少なくなっている。季節感に満ち溢れたもの、
懐かしいものがどんどん消えていくことに寂寥感が募る。
【調理・撮影:2022/8/16】
処暑とは、「厳しい暑さの峠を越した頃」や「暑さが落ち着く
時期」とされるが、その気配は全くなく暑い。冷静に、まだ8月
だから当然であり、9月になっても暑い日がお彼岸頃まで続くも
のだと考えると辛くなる。皆様どうぞご自愛ください。
お盆の休漁が明け、石川県産の入荷を期待するが、種・量とも
乏しい。その穴を他県産が埋める構図がいつまで続くのか。
【調理・撮影:2022/8/23】
朝晩めっきり涼しくなって過ごしやすい。日中の暑さも気にな
らず、秋の気配を僅かに感じられるようになってきた。
8月もあと2日、来週の「旬のおたより」は、底曳網漁解禁の
恩恵を享受できる(天候次第だが)想定。所謂「夏枯れ」の状態
からようやく解放されると思うと心が弾む。石川県産の選択肢が
少ない今、これで終わりと精一杯無い知恵を絞り厳選した。
【調理・撮影:2022/8/30】
先週から「初秋」に相応しい気候が続いていたが、昨日今日と
「猛暑日」となり、「初秋」が名ばかりとなってしまった。
それでも9月に入って底曳網漁が解禁となり、それに釣られて
それ以外の漁法も活気づき、店頭の魚種・量が一気に増えたこと
から「初秋」を意識させられる。選択肢が急に広がって悩ましい
が、あの「夏枯れ」が嘘のように解消されて何よりである。
【調理・撮影:2022/9/6】
季節感に溢れた旬のALLいしかわの鮨「いしかわ旬の鮨だよ
り®」の事業展開を目指してまいりましたが、都合により今回を
もって休止といたします。長年応援いただいた皆様方に御礼申し
上げます。ありがとうございました。
最後のテーマは、真の需要の原点に回帰し「ウニやイクラに頼
らない本格的な江戸前握り盛合せ」となります。
【調理・撮影:2022/9/13】
本年9月13日を以って一旦休止しましたが、目処が立ちまし
たので、本日から再開します。以前の様に毎週公開とはいきませ
んが、月1回を目標として季節感に溢れた旬のALLいしかわの
鮨「いしかわ旬の鮨だより®」を当「旬のおたより」を通じて発
信し続け、今後も流通しなくなった数多の逸材を未来ある人々を
含め全ての人々に継承することが責務と思う次第です。
【調理・撮影:2022/12/29】